全ての用意を整え、親の説得などというわずらわしいことを無視し彼らは北門の前に立っていた

 

時は町の全ての人が眠りにつくような深夜・・・

 

・・・夜行性の獣人は起きてたりもするが・・・

 

深夜仕事がある人も起きてたりするが・・・

 

むしろ夜の方が元気な種のモンスターも起きてたりするが・・・

 

・・・・・・まぁなんにせよ深夜であった・・・・・・

 

 

そして彼らは皇帝にちゃっかり頂いた各地への通行許可証を警備兵に見せつけ

 

なかば強制的に北門を開けさせたのであった・・・

 

この時より、彼らの旅ははじまる・・・

 

 

 

 

 

 

ちなみに・・・この町は北門を出た先は即、高い山だったりする素敵な街であった

 

今は夜だ、前は山だ、するとそれを登るには・・・

 

 

「うっわ、だっさいわね、あんたら」

 

「「うっさい」」

 

「・・・我ながら似合ってないとは思いますがね」

 

「ラミィさんはつけないんですか?」

 

ヘッドライトを付けた面々の姿がそこにあったりした

 

各自武器など持ってたりするから余計に変な感じである

 

「月明かりで十分見えるし?」

 

「ええい、この野性は・・・」

 

「・・・むかつくわ」

 

どうやら夜目が効くらしかった

 

さすがは獣人

 

「ていうか光系魔法で照らしたら?」

 

「何時間もずっと魔法を放ち続けろというの?」

 

「・・・さ、さすがに勘弁していただきたいです」

 

「・・・結構不便だねー・・・」

 

まぁそんなもんである

 

「んじゃ、出発する?」

 

「そうね、いきましょう」

 

そして彼らは山登りを開始した・・・

 

 

 

・・・・・・3時間後・・・・・・

 

 

「・・・ごめん、むっちゃ暇なんですけど」

 

「・・・そうね」

 

「ま、そんなもんだろ」

 

ただただ登り続けてだれてきている3人の姿があった

 

他2人はというと・・・

 

「・・・・・・♪」

 

クレイは照らして珍しい草だったらそれを摘み取ってたり

 

「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

・・・フィレアはいっぱいいっぱいだったりした

 

「・・・もう少し体を鍛えなさいフィレア」

 

「魔法の訓練と勉強ばっかやってるしなぁ・・・」

 

「す・・・みませ・・・」

 

ほんと限界っぽい

 

視界もやばそうである

 

そのときエランがクレイに声をかけた

 

「・・・おーい、クレイちょっとこい」

 

「はい?・・・なんでしょう」

 

草をつみとっていたクレイが近づいてくる

 

そして

 

「それじゃいくわよ・・・」

 

「あいあい〜」

 

エラン、セリア、ラミィの三人が身構えた

 

「へ?」

 

「「「じゃんけん」」」

 

ばっ!

 

ラミィ チョキ

エラン パー

セリア チョキ

クレイ チョキ

 

「・・・・・・俺かい」

 

「はっは〜、久々に勝利だねー」

 

「頑張りなさいエラン」

 

「・・・あのー、なんだったんですか?」

 

反射的に出したクレイであった

 

「いや、あいつをな」

 

フィレアはもはや座りこんでいる

 

というか倒れそうだ

 

「背負う役」

 

「・・・なるほど」

 

「お姫さまだっこという手も?」

 

「断る」

 

「・・・それもアリかもね」

 

「断る」

 

「見た事ありませんねぇ」

 

「俺はやらんぞ」

 

「クレイやってみる?」

 

「お断りします」

 

誰もフィレアに意見を聞こうとしなかった

 

聞いても返答できるか謎だが

 

「さっさといくぞ・・・」

 

エランはフィレアに歩み寄る

 

顔をあげるフィレア

 

「ほれ、おぶされ」

 

「・・・・・・」

 

しかしフィレアは一向に動かない

 

「・・・どうした?」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

おぶさる体力さえ残されていなかったらしかった

 

 

 

・・・・・・20分休憩・・・・・・

 

 

「もう大丈夫か?」

 

「あ、はい、なんとか・・・」

 

「そうか、だがまぁもう少し待ってくれ」

 

「・・・はあ?」

 

「おいセリア」

 

「何?」

 

「こいつ、まかせるぞ?」

 

「・・・はいはい」

 

「あの、なんなんでしょう?」

 

「いや、周りにな・・・」

 

「・・・?」

 

フィレアが周りを見渡すと複数の黒い影があった

 

「あっはっはー、黒犬がたくさんだねー」

 

「・・・一応はモンスターなんですけど・・・犬にしか見えませんよねぇ」

 

その姿はどう見ても黒い犬であった・・・でかいが

 

「っ!!?」

 

「いや、大丈夫大丈夫・・・んな驚くなって」

 

「え、えーっとでもですね・・・こんなに暗いわけですし」

 

「ああ、だから五分程この周囲を照らしといてくれないか?たたなくていいから」

 

「はぁ・・・気をつけてくださいね?」

 

こぽぽ・・・

 

フィレアの両の手の間に魔力がたまる・・・

 

そして・・・

 

コォォォォォォ

 

辺りが穏やかな光につつまれた

 

一瞬目がくらむがそれはモンスターも同じである

 

そして・・・

 

「ノルマは4匹?」

 

「・・・12匹もいませんが、まぁそのつもりでいけば早く終わるのでは?」

 

「頑張りなさいよ」

 

「ちゃんと守れよ」

 

「はいはい」

 

「あ、足手まといですみません〜・・・」

 

「気にすんな補助専門、怪我したら頼むから」

 

「お願いねー」

 

「はい〜」

 

「戦闘開始!!」

 

「んじゃ、行ってくるわ」

 

「行ってきます」

 

「行ってらっしゃいませー」

 

「行ってらっしゃい」

 

そして・・・この旅初めての戦闘が始まった・・・・

 

緊張感はないが