(あぁ、俺死んだかも)

襲い来る真空の刃を前にクレスは諦めたように呟いた。

(死ぬ前に一度でもいいからお腹いっぱいナタデココヨーグルト食べときたかった・
・)

しかし、真空の刃が彼の体をイザ斬りさかんとした刹那、彼の前に蒼色透明のシール
ドが

展開され、真空波はそれにぶつかり消滅する。

「’スレイシールド’か・・・、遅えょ フォル」

「助けてあげたのに何なのよその態度は」

命を賭ける戦闘でも彼女はあくまで自分のキャラを通すらしい。

ちなみにスレイシールドと言うのはクレスの前に展開されたシールドは、触れたもの


を完全に分解させる盾らしい(フォル談

「フン、まあいい。それにしてもおかしいな・・」

「え、何が?」

何やら考え込むクレスにフォルは問う。

グランスライオンは先のクレスの攻撃により、多少ダメージを蒙ったのか低く唸り

二人を牽制している。

「いや、普通上級シストと下・中級シストやらと群れてるだろ?」

チラリと横目でグランスライオンを見ながらクレスは言う。

「それもそうね」

確かに彼の言ってることは正しい。基本的に上級シストは中級・下級のシストと群れ
をなし

行動しているが、このグランスライオンは単体で出現している。

「っと、考えてる暇は無さそうだぜ!」

クレスの忠告と共に、今まで唸っていたグランスライオンが再び二人を切り裂こうと
突進してくる。

「クレス!足止めお願い!私は魔法の詠唱に入るわ!」

「クッ、簡単に言ってくれるぜ」

そう言いながらクレスは金色の風となり、グランスライオンへとツキ進む。
(力技が駄目なら速技だ!) 

「突き抜けろ、流水!」

気合の籠もった声と同時にクレスは更に加速する。その恐るべきスピードにグランス
ライオンは

ついていけなずクレスの流水(速を極限まで極めた横からの斬撃)をまともに受ける。


しかし、クレスの手へと伝わった感触は肉を切る感触・・否、鋼と鋼と打ちあたる衝
撃。

その衝撃でクレスは弾き返される。

「チィ、なんて硬さだょ!」

どうにか持ち直し、激しく罵倒するがスグに追撃の手が伸びる。

(糞、フォルはまだか!?)

グランスライオンの攻撃をギリギリで避わしながらフォルを見やる。

「冥界住みし偉大なる者よ我はフォル、汝と魂の契約しせしリアス族の長なり・・。

 我と汝が交わした魂の契約、それに従い我にその力を委ねん。我は汝、汝は我
 汝が持ちしその力、我器にして解き放たん・・」

(ァワワ、ちょっとヤバイって)

今にも魔力を解き放ちそうなフォルを見、自分の危険を感じたクレスはグランスライ
オンへの攻撃
を止め、直ぐにその場から離れる。

「すべてのものを焼き尽くせ!メガブレイズ!!」

フォルの詠唱が終わった瞬間、彼女の手から巨大な黒炎が出現しする。そしてその黒
炎は目の前の敵

、グランスライオンに襲いかかる。

物理的攻撃、すなわちクレスの双剣による攻撃はほぼ無意味だったが、魔力による理
攻撃はグランス

ライオンにはかなりの効果があった。

黒炎を纏い、その火から逃れるようにグランスライオンはノタウチ回るが逃れること
ができるハズも

なく、しばらくして崩れ落ちた。

「ハハハ、どうにか死なずにすんだな・・」

そう言いながらクレスはその場に寝転がる。どうやらかなり消耗しているようだ。

「私の魔法があったからこそ勝てたのよ。そこんとこヨロシク♪」

(俺の最初の頑張りは?)

という疑問が頭に浮かんでは消え浮かんでは消えした。



「なにぃぃぃぃいい!賞金がでないだとぉぉおお!!?」

クレスの絶叫に砦の者すべてが肩をビクッとさせる。彼の絶叫の理由、それは目の前
にいる
椅子に座った男が原因である。

「私に怒鳴られてもですね・・。文句なら上に言ってくださいよ;」

タバコをフカシながら眼鏡をクイっとさせる男、クロス:アルバード。彼は傭兵団の
隊長である。

彼は髭を剃らないのか顔には無精ひげが生え、何処か駄目中年親父を思わせる。

「お前がこの砦のタ・イ・チ・ョ・ウだろが!?理由を言え理由を!」

たとえ相手が隊長でも、余程コの事実が気に入らないのかクレスは喚き散らす。

「ですから、上級シストを倒した証拠である”LED”がないと賞金はでないんで
すょ」

クレスの子供染みた行動にも眉一つ動かさず彼は機械的に説明する。

「グハァ!もう駄目だ。生きてく意味なくした」

何故か吐血し、その場に倒れこむクレス。

「それよりクレス君、君の調査書に書いてあったんことなんだけどイイかな?」

「ぁぁ?」

倒れたまま上目遣いでクロスを睨み付ける。クロスは苦笑しながら本題に入る。

「グランスライオン討伐時、君とフォル君は中級・下級シストと遭遇しなかったそう
だね?」

「ぁぁ、そうだ。俺もおかしいと思ったんだけどライオンでいっぱいいっぱいで・
・」

「その時のグランスライオンの容姿はどういうふうでしたか?」

「確か体中緑で翼が生えてて・・ぅ〜ん、アトは馬鹿でかかったってのが俺の記憶にい
るライオンだな」

簡単カツ適当な答えだったが、クロスは眉間にシワをよせながら考える。
(3ヶ月前のグランスライオン発見記録には中級・下級シスト共に群れで行動していた
と記されていた・・
。さらにその姿はただの大きな緑色のライオンと書かれている・・・。クレス君のイウ
事に間違えが無ければ
グランスライオンは3ヶ月の間に進化していることになるな)

深く考え込むクロスを見てクレスは立ち上がり部屋をでようとする。

「あ、ちょっと待ってください」

「まだ何か用ヵよ?」

「賞金ではありませんが、上級シスト討伐に成功した二人には特別に4日間休暇を与
えるそうですょ」

「おぁ、マジか!」

「はぃ。フォル君にも伝えておいて下さいね。」

休暇と聞きふて腐れた顔から嬉々とした顔になったクレスは上機嫌で部屋を出るよう
とする。

彼がドアノブに手をかけようとした瞬間悲劇はおこった。

「隊長〜、報告書もってきました〜」

勢いよくドアをあけて部屋に入ってきたフォルのせいで、思い切りドアの角で頭をぶ
つけたクレスは

白目になって倒れこむ。

(・・この女いつかころs・・)
薄れ行く意識の中でクレスは誓ったのだった。



作者の空です。
ぁぁ、戦闘シーンきついデスネ(;´Д`A ```
戦闘だけにかなり時間つかいましたよw
正直グランスライオンこんなに弱くていいのかと思いました(何
アトアトキャラの強弱修正します(多分
感想などはhop_step_1220@hotmail.comまでヨロ〜