「くそっ、この草邪魔なんだょ!」

悪態をつきながらクルックの森を歩く青年、クレス=ミリオンは相当生い茂る

草木に参っていた。それもそのはず、このクルックの森の草木は大の大人をも

隠してしまいそうなほど高く、悠然とたたずんでいる。

「仕方ないでしょ。グランスライオンがここを縄張りにし始めてから誰も人が
通って無いんだから・・」

クレスの愚痴を軽く流す少女、フォル=レイナスは毅然とした態度で応じる。

「大体あの髭ジジイ”二人でライオン殺れ”って軽々しく言いやがって・・」

彼の言う”髭ジジイ”とはクレスとフォルの所属する傭兵団のTOPブラスタ国の王

の事である。傭兵団はシスト(魔物)討伐を目的とする隊で、そのほとんどが若者で形


されている。シストは下級〜上級まで多種多様、下級シストは凡人でも引けはとらな
いが

上級シストともなると王国親衛隊一隊が殲滅されてもおかしくない力を持つ。

そしてその上級シストにグランスライオンは属している。

「まぁまぁ、他のシスト討伐で人手も足りないし仕方ないわょ」

「ハァ、分かってるよ・・。でも二人ってのは流石にありえないだろ( ̄Д ̄;;」

「スピードスターと呼ばれるあなたなら問題ないわょ♪」

フォルの言うスピードスターとは今まで彼の戦いぶりを見てきた者が付けた呼び名で
ある。

「って俺が戦闘の主戦力かょ・・・・」

「まぁまぁ、死んだらちゃんとお骨は持って帰って上げるから」

「・・・」

縁起の悪い事をサラっというフォルにカチンときたのかクレスはしかめっ面で押し黙
る。

沈黙のなか、紛れも無い殺気が二人の周囲を包む。一気に空気は張り詰め、クレスと
フォルは

それぞれ獲物を取り出す。

キンっ・・、鞘から剣が抜き放たれる。クレスは相剣:双剣シルフを解き放ち、研ぎ
澄まされた

感覚で周囲の気配を伺う。抜かれた双剣は己の存在を見せ付けるかのごとく太陽の

ように輝いて見える。

それに対しフォルは魔力の形成を行い援護に備える。彼女の特技である魔法使えるも
のは世界中でも

ほんの一握りで、世界の自然を束ねる3大精霊の加護を受けたものである。

そのため、まだ17にも見た無い少女がその加護を受けれたのは奇跡としか言い様が
無い。

もちろんまだ完全には魔力の制御はできないが、それは年齢を考えると致し方ない事
ではある。

「そろそろね・・」

「下がれ!・・来る!」

クレスの忠告と同時にその体に無数の傷が生じ、血しぶきをあげさせる。見切れるス
ピードでは

ないがギリギリで致命傷を避けたクレスは勢いを殺しきれず上空に投げ出される。

その瞳に写るのは普通のライオン・・否、キマイラとしか言い様の無い悪魔の使者
だ。

体は緑。背中には翼が生え、その牙はゆうに1mを超えている。

たった今クレスを切りつけた爪はすべてを切り裂く獰猛さを秘めている。

この獣こそが上級シスト:グランスライオン、今回の二人の討伐相手だ。

「チィ!」

軽く舌打ちをしたクレスは空中で体勢を立て直し、連続した突きを入れる・・・、が
 しかし

不安定な空中での突きは如何せんパワーとスピードが足りない。そのため攻撃はあっ
さりとかわされる。

「糞、ナンツーパワーとスピードだょ」

爪と牙の攻撃を捌きながら愚痴を溢すクレス。

「フンッ、何言ってるのよ。さっきから本気だして無いじゃない。そんなに死にたい
の?」

「(何にもヤッテ無い奴が良く言うぜ)ボソ」

「何か言った?」

「ヒィ!!(゜ロ゜ノ)ノ何も言ってませんが」

「なら良いわ」

命を賭しての戦闘の最中の二人の会話には誰が見てもあきれるだろう。

「ふぅ・・、とにかくあなたは斬る事だけを考えて。私が援護するわ」

「ケッ、分かったよ」

その言葉と同時にクレスは金色の風と化し、数十メートルあったグランスライオンと
の間合いは

一気に縮まる。確かにこの速さなら”スピードスター”と呼ばれてもおかしくない。


常人から見れば彼は霞むように見えるだろう。

しかし彼の動きにグランスライオンの動体視力は追いついていた。繰り出されるすべ
ての突きを

爪で弾き返し、翼をはためかせ、クレスの体は後方に吹き飛ばされる。

常人ならここで死んでいてもおかしくないし、生きていたとしても致命傷を負ってい
たはずだ。

しかしクレスは自らの体を後方へと力を押しやる事により、勢いを殺してダメージを


最小限に食い止める。

(さぁて、ソロソロ本気だすか・・)

今のが本気ではないのかクレスは心の中で呟き、体を起こす。そしてまた一陣の風と
なる。

一陣の金色の風は真っ直ぐグランスライオンに進む。もちろんそのまま進めば先の二
の舞になる

わけだが、今度は脚の動きを不規則に変化させる。

その動きによって体があたかも分身したかのように見せる”殺”という高等足捌き
だ。

そのまま殺を維持し、間合いを0にする。

「くらえっ!突風波!!」

掛け声と同時に双剣:シルフは更に輝きを増す。そしてそのまま勢いよく一点に
ポイントを絞り

力重視の集中攻撃を仕掛ける。

グランスライオンはその攻撃を爪で受け止めようとするが神速で繰り出された攻撃に
より

その爪は破壊される。しかしグランスライオンはスグに体勢を立て直し空中へと飛び
上がる。

そしてありったけの力で翼をはためかせ真空の刃をクレスへと放つ。

急に空中へ飛ばれ体勢を崩したクレスにはそれをよける事ができない。

(ぁ、ちょっとヤバイかも)

死の一歩前でもクレスは’ちょっとヤバイ’で済ませたのだった。


作者の空です。
正直中途半端でスマンですorz
ぇ、フォルが何もやってない?
気のですよ、気のせい(ぉ
まぁフォルサンは3話あたりからナンカスルハズデス(ヲ
さぁてスキルと3話の戦闘を考えながら今日は終わりますか。
感想などはhop_step_1220@hotmail.comまで送っていただけると
かなり嬉しいですw
それではまた〜。

__________________________________________________________________________________________


第3話
「くそっ、この草邪魔なんだょ!」

悪態をつきながらクルックの森を歩く青年、クレス=ミリオンは相当生い茂る

草木に参っていた。それもそのはず、このクルックの森の草木は大の大人をも

隠してしまいそうなほど高く、悠然とたたずんでいる。

「仕方ないでしょ。グランスライオンがここを縄張りにし始めてから誰も人が
通って無いんだから・・」

クレスの愚痴を軽く流す少女、フォル=レイナスは毅然とした態度で応じる。

「大体あの髭ジジイ”二人でライオン殺れ”って軽々しく言いやがって・・」

彼の言う”髭ジジイ”とはクレスとフォルの所属する傭兵団のTOPブラスタ国の王

の事である。傭兵団はシスト(魔物)討伐を目的とする隊で、そのほとんどが若者で形


されている。シストは下級〜上級まで多種多様、下級シストは凡人でも引けはとらな
いが

上級シストともなると王国親衛隊一隊が殲滅されてもおかしくない力を持つ。

そしてその上級シストにグランスライオンは属している。

「まぁまぁ、他のシスト討伐で人手も足りないし仕方ないわょ」

「ハァ、分かってるよ・・。でも二人ってのは流石にありえないだろ( ̄Д ̄;;」

「スピードスターと呼ばれるあなたなら問題ないわょ♪」

フォルの言うスピードスターとは今まで彼の戦いぶりを見てきた者が付けた呼び名で
ある。

「って俺が戦闘の主戦力かょ・・・・」

「まぁまぁ、死んだらちゃんとお骨は持って帰って上げるから」

「・・・」

縁起の悪い事をサラっというフォルにカチンときたのかクレスはしかめっ面で押し黙
る。

沈黙のなか、紛れも無い殺気が二人の周囲を包む。一気に空気は張り詰め、クレスと
フォルは

それぞれ獲物を取り出す。

キンっ・・、鞘から剣が抜き放たれる。クレスは相剣:双剣シルフを解き放ち、研ぎ
澄まされた

感覚で周囲の気配を伺う。抜かれた双剣は己の存在を見せ付けるかのごとく太陽の

ように輝いて見える。

それに対しフォルは魔力の形成を行い援護に備える。彼女の特技である魔法使えるも
のは世界中でも

ほんの一握りで、世界の自然を束ねる3大精霊の加護を受けたものである。

そのため、まだ17にも見た無い少女がその加護を受けれたのは奇跡としか言い様が
無い。

もちろんまだ完全には魔力の制御はできないが、それは年齢を考えると致し方ない事
ではある。

「そろそろね・・」

「下がれ!・・来る!」

クレスの忠告と同時にその体に無数の傷が生じ、血しぶきをあげさせる。見切れるス
ピードでは

ないがギリギリで致命傷を避けたクレスは勢いを殺しきれず上空に投げ出される。

その瞳に写るのは普通のライオン・・否、キマイラとしか言い様の無い悪魔の使者
だ。

体は緑。背中には翼が生え、その牙はゆうに1mを超えている。

たった今クレスを切りつけた爪はすべてを切り裂く獰猛さを秘めている。

この獣こそが上級シスト:グランスライオン、今回の二人の討伐相手だ。

「チィ!」

軽く舌打ちをしたクレスは空中で体勢を立て直し、連続した突きを入れる・・・、が
 しかし

不安定な空中での突きは如何せんパワーとスピードが足りない。そのため攻撃はあっ
さりとかわされる。

「糞、ナンツーパワーとスピードだょ」

爪と牙の攻撃を捌きながら愚痴を溢すクレス。

「フンッ、何言ってるのよ。さっきから本気だして無いじゃない。そんなに死にたい
の?」

「(何にもヤッテ無い奴が良く言うぜ)ボソ」

「何か言った?」

「ヒィ!!(゜ロ゜ノ)ノ何も言ってませんが」

「なら良いわ」

命を賭しての戦闘の最中の二人の会話には誰が見てもあきれるだろう。

「ふぅ・・、とにかくあなたは斬る事だけを考えて。私が援護するわ」

「ケッ、分かったよ」

その言葉と同時にクレスは金色の風と化し、数十メートルあったグランスライオンと
の間合いは

一気に縮まる。確かにこの速さなら”スピードスター”と呼ばれてもおかしくない。


常人から見れば彼は霞むように見えるだろう。

しかし彼の動きにグランスライオンの動体視力は追いついていた。繰り出されるすべ
ての突きを

爪で弾き返し、翼をはためかせ、クレスの体は後方に吹き飛ばされる。

常人ならここで死んでいてもおかしくないし、生きていたとしても致命傷を負ってい
たはずだ。

しかしクレスは自らの体を後方へと力を押しやる事により、勢いを殺してダメージを


最小限に食い止める。

(さぁて、ソロソロ本気だすか・・)

今のが本気ではないのかクレスは心の中で呟き、体を起こす。そしてまた一陣の風と
なる。

一陣の金色の風は真っ直ぐグランスライオンに進む。もちろんそのまま進めば先の二
の舞になる

わけだが、今度は脚の動きを不規則に変化させる。

その動きによって体があたかも分身したかのように見せる”殺”という高等足捌き
だ。

そのまま殺を維持し、間合いを0にする。

「くらえっ!突風波!!」

掛け声と同時に双剣:シルフは更に輝きを増す。そしてそのまま勢いよく一点に
ポイントを絞り

力重視の集中攻撃を仕掛ける。

グランスライオンはその攻撃を爪で受け止めようとするが神速で繰り出された攻撃に
より

その爪は破壊される。しかしグランスライオンはスグに体勢を立て直し空中へと飛び
上がる。

そしてありったけの力で翼をはためかせ真空の刃をクレスへと放つ。

急に空中へ飛ばれ体勢を崩したクレスにはそれをよける事ができない。

(ぁ、ちょっとヤバイかも)

死の一歩前でもクレスは’ちょっとヤバイ’で済ませたのだった。


作者の空です。
正直中途半端でスマンですorz
ぇ、フォルが何もやってない?
気のですよ、気のせい(ぉ
まぁフォルサンは3話あたりからナンカスルハズデス(ヲ
さぁてスキルと3話の戦闘を考えながら今日は終わりますか。
感想などはhop_step_1220@hotmail.comまで送っていただけると
かなり嬉しいですw
それではまた〜。