〜アルバトス大陸〜Anamis 1wa


「・・・サイガー様、ゲラシウスの封印がもう限界に来ています。

おそらくもう20年ももたないでしょう」

ため息を漏らしながら暗室に入ってきた青年がそういい終えると老人が口を開いた

「ついに2000年の封印が解けてしまうときがきてしまったか

このままゲラシウスに復活されてしまっては非常にまずいのぅ」

「そのためにあの方の後継者を見つけねばなりませんね」

「もはやそれしかないのぅ」

ゲラシウスとは2000年前に現われた最強の種族ハーマン族の王のことであり

当時世界を永遠の闇に呑み込もうとしていた

今となっては魔王といったほうが一般的である

しかし後に勇者と呼ばれるようになった大魔道士ナイト・リベリアが

その命と引き換えに封印した

そして今、そのゲラシウスの封印が解けようとしているのだ


一方時を同じくするようにして南フレイル大陸に男の子が生まれた

この子が後に歴史を変える人物になろうとは現時点では誰も知る由もなかった


〜12年後〜南フレイル大陸北西の村アラスの高原

「よっしゃ〜俺の勝ちだ。じゃあ皆約束どおり禁域に行くからな

今更ヤダなんていうんじゃねぇぜ。これは約束だからな」

と大声をあげながら先頭をいく赤髪の少年はとても愉快そうである

彼の名前はレイ・リベリア。かつて魔王を封印したナイトと同じ姓を持つものである

しかし嬉しそうなレイとは対照的に後ろにいる3人の少年達はあまり気が進まない様子である

むしろ怯えているといったほうが適切かもしれない

それもそのはずである。彼らが今まさに向かおうとしている場所こそ南フレイル大陸一の

危険な場所と称される禁域の森デスピアなのである

ここには数多くの貪欲な魔獣が生息しており、人間が一歩でも足を踏み入れれば

即魔獣に噛み殺されてしまう。だから3人が怯えてるのはいたって普通だ


このようになった経緯は彼らは一つの賭け事をしていた。

その賭け事とはスワックと呼ばれるサッカーに似た感じのゲームで、

レイ一人対他の三人での試合という圧倒的不利な条件で他の3人を負かしたからである

勝ったほうのいうことに従わなければいけなかったのでこうなってしまったというわけである

しかし大の大人ですら近寄らないと言う禁域に子供達4人でいったところで、

瞬殺されるのが関の山だ

よって嬉しそうにしてるレイの方がおかしいのである

そしてついに禁域に差し迫ろうとしたそのとき急に全身黒ずくめの男が

デスピアの入り口の前に立っていたかと思った瞬間男の姿が消えた

そしてレイが振り返るとなんと他の3人がいなくなってしまっている

すると再び男が現われ冷たく言い放った

「ちっ殺し損ねた!サイガーめ。何故貴様がここにいるっ!!?

まともに殺りあっても負けるだけだ、ここは一端退かせてもらおう」

そう言い放って男はその場を去った

レイは目の前で何が起こったのか全くわからずただ呆然とするのみだった

そこに一人の老人がやってきた

「撒いたか。危機一髪じゃったのぅ、ところでお前名を何と申す?」

「一体目の前で何が起こったんだよ?それに俺のダチは無事なのか?

あんたは一体誰なんだ?」

「ふむ。それはこれから話すとして・・・」

そういい老人は顔を強張らせた

「名は何と申すのかと聞いているのじゃ。質問に答えろ!!」

老人の威勢に気おされレイは冷静さを取り戻した

「俺の名前はレイ・リベリアです」

それを聞くと老人は驚きを見せたが続けて言った

「そうか、リベリアの姓を持つものか。儂の名はサイガー・エリアスだ」

(この少年儂等が追い求めていた後継者かもしれんな)

「さて、早速だがデスピアの中に一緒に来てもらいたいのだが、一緒に来る覚悟はあるか?」

そう言われレイはしばらく考えこんだ

「う〜ん、じゃあさっき俺が聞いた質問にも答えてよ。そしたら行くから」

「わかった、だがあまり時がなくてな、歩きながら話すとしよう」

「じゃ中でちゃんと説明してくださいね」

「うむ。では行くか」

そう言いサイガーとレイは禁域デスピアへ入っていった


あとがき
う〜んいろいろあったせいでかなり遅れてしまいましたが、
とりあえずやっと1話書くことが出来ました
とりあえず頭の中ではもう全部ストーリー出来上がっているんですけどね
ただ文章に表現するのが難しくて
まぁ皆さんに相当遅れましたが無事仕上げられてよかったです
感想等ございましたらBBSかメールに是非書いていってくださいね
では〜